こんにちは。ロッキンです。
昨日の続きになります。
今日は、私が通った料理専門学校・プロフェッショナルベイキングコースに入学してから卒業に至るまでのお話です。どうぞ、お付き合いくださいね。
学校初日、子供たちを学校に送っていってすぐに私は、シェフコートに着替え、学校に向いました。生徒はみな制服(シェフコート)を着て授業を受けます。とっても新鮮です、制服を着るのって! なんか背筋がピンッと伸びた感じ。
アメリカの学校は基本、入学式はありません。大体、初日から授業になります。なので、初日から、ガンガンに授業はありました。
通常は10〜15人程度のクラスのようですが、私たちのクラスはたったの5人。私は少人数でガッチリ学べる!って心の中で微笑んでましたが、実は、この学校が創立して以来の最小人数だったそうで、当初はこのクラスをキャンセルする方向で考えていたそうです。(そうですよね、生徒数が少なければ、もとが取れないですものね。)
でも、私を含め、このクラスに参加をしようと考えていた生徒たちからの熱いコールに負けたそうです。実は、このクラスのGoサインが出るまで、ほぼ毎日このクラスが開かれるかどうか電話攻撃していたんです、私。?
だって、私にとってこんな好条件の学校はきっとこの先見つからないだろうと思っていたから。。。
だからこそ、この少人数でもGoサインを出してくれた経営者並びに先生方に感謝です!
さて、昨日のお話にも書きましたが、3回遅刻、もしくは欠席した場合は落第。時間にルーズなアメリカ人、これがネックな人、結構多いんですよね。
それで、1ヶ月もしないうちに、5人から4人に減りました。(早っ!)
そして、授業が3分の1を過ぎた頃に、4人から3人へと。落第したこの2人は、毎週出される課題と宿題についていけず、いつしか授業にこなくなりました。
残ったのは、3人。(先生もまさか3人のために、授業をするとは想像もしてなかったとと思います。でも、もっとすごいことが後におきます。。。?)
人数が少ない授業はさらに内容の濃いものになったと記憶しています。
授業中、1つのお菓子に使われる材料が書かれた紙を渡されそれを見て、どんなお菓子が作られるのかを答えるという問題は、かなりの難問でした。
そして、材料だけ与えられ、レシピを見ずに作るという問題もまた難問です。
要はどれだけ家で練習してるかのテストです。
卒業を2ヶ月ほど前にした頃に、3人のうちの1人がまた授業にこなくなりました。この生は高校を卒業後すぐにこの学校に入学。先生からもかなり期待されていた生徒の1人でした。というのは、彼は学校に通い出して半分ほど経った頃に、LAにある超有名レストランでの就職が決まり、職場では異例の出世をしていたからです。ただ、彼にはある問題があったようで、学校をやめた後、しばらくしてから、働いていたレストランからもクビを言い渡されたそうです。こういうことはよくあるのです、この業界では。
ということで、残ったのは、私ともう1人の生徒。
卒業をするには、卒業試験(筆記と実地)に合格した後、卒業式プロジェクト制作に参加する権利が与えられ、卒業式にこの卒業プロジェクト制作を発表しなければなりません。その卒業プロジェクト制作の合否で卒業が決まるというのです。
この卒業プロジェクトは、いくつもの課題があり、それを網羅して、いくつものお菓子やパンを作って卒業式に提出しなければなりません。パイ・タルト、ムースなどのフィリング、3段の大きなケーキ(デコレーション)、カスタードなどを使ったお菓子、クッキーなど。そして、試験管による試食テスト。
この卒業プロジェクトは、準備も含め1週間近くかかります。
もう1人の生徒は、この卒業試験と卒業プロジェクトにかなりのプレッシャーを感じ、卒業を目の前にし、卒業することを辞退すると言い出しました。
卒業を辞退するということは今まで頑張ってきたことを放棄するということ。私は「ここまで頑張ってきて、どうして今諦めることができるの?」そう何度も思いました。
先生も、その生徒に何度も何度も説得をしてましたが、その生徒は、どうしても卒業を辞退したいと。。。
先生から「独りぼっちの卒業式よりも、他のクラスの卒業式を待って、その生徒たちと一緒に卒業式に出てはどうか?」との助言もありましたが、ここまできて、卒業を遅らせたくないという気持ちも強く、できることなら、私1人だけででも卒業式に参加させてほしい、卒業プロジェクトに取り掛からせて欲しいと強くお願いし、その結果、学校サイドも納得してくれ、ようやく卒業プロジェクト制作に取り掛かることができました。
が、この卒業プロジェクト、かなり手強いものでした。卒業プロジェクトを取り掛かる権利は得たものの、思うようにことが進まず、途中、何度も何度も逃げ出したい気持ちにかられました。
とてつもなく大きなプレッシャーです。
その頃は、私は既に職を見つけ、あるレストランでパテイシエとして働いていたので、仕事もある、2人の子供の世話もあるわで、バタバタでした。しかも、ただ作るだけじゃダメなんです、試験管がよし!というものを作らなければいけないのですから。すごいプレッシャーでした。
このプロジェクトは、1日で全てのものを作ることは不可能なので、自分なりにスケジュールを組み、何日かに分けて作っていきました。
私の冷蔵庫は、スペースも小さかったため、保存方法にも悩みました。途中、オーブンが動かなくなり、友人に卓上の小さなオーブンを借りての作業になったりと、ハプニングも多発。睡眠時間もどんどん減っていきました。
でも、なんとか卒業式の前の晩遅くに、無事、全てのプロジェクトを手がけることができました。もうゾンビ状態の私です。
疲れ切った体にムチを打ち、卒業式当日の朝、作った全てのものを車に運び、学校へ。
私の卒業プロジェクトのテーマは、「和のおもてなし」でした。
独りぼっちの卒業式・・・ ポツーンといった感じでしょうか。でも、体が高揚してました。この11ヶ月間頑張ってきたことがやっと形になる。。。既に働いていたレストランでも胸を張っていられる、自負の心がふつふつと湧き上がってきました。
自分が作った卒業制作のスイーツを並べ、あとは試験管たちが到着するのを待つばかり。
試験管が一人一人到着し、式に突入。
そして、私が作った卒業プロジェクトの審査です。
緊張感の中、試験管たちにより、見た目、味見などのチェックが始まりました。試験管による質問に汗だくになりながらも返答し、あとは結果を待つばかり。
ドキドキ、ドキドキ。
そして、試験管から「1人でもここまでよく頑張ったね。」と・・・ 無事、卒業式プロジェクトにも合格点をもらい、無事卒業することができました!
卒業証書を手にした時は、体の力がふっと抜けた感じで、なんとも言えない安堵感を感じ、徐々に喜びを感じ体が高揚していったのを強く覚えています。
そして、この日が私の新たなスタートの始まりとなったのです。
*人気ブログランキングにも参加しています。*
*是非こちらもクリックよろしくお願い足します。*
こば
ロッキンさん、すごいです!
育児&家事の他に学校なんて、24時間では足りないという日々だったんですね。
卒業したからこその今がある。
趣味とか好きだから~でなく職業にしちゃうなんて、尊敬です。
ロッキン
あ〜ん、そんな風に言っていただけるだなんて。。。ありがとうございます、こばさん。
もうあの時は必死でした。でも、不思議と毎日が充実してました。